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毎天在両国

初めての東京。関西人のお江戸暮らしを思いつくまま。

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“駒形どぜう”で、どぜう鍋

浅草に行く時、よく前を通るので気になっていた“駒形どぜう”に行ってみました。

私は木綿の紺縞の着物に木綿のベージュ色の帯、草色の帯揚げに臙脂色の帯締め・・・と江戸下町モード全開で挑みました。朝の11時半ぐらいに行ったのだけれど、もう満席。3階建てなのにスゴイ人気です。全体的に年齢層が高いお客様が多くて、階段がダメとか、テーブルにして・・・等のリクエストが多いみたい。下足番に名前と人数を言って外で待ちます。
・・・待つこと約15分。1階大広間のテーブル代わりに長い板を敷いているところの一角に案内されました。

正面に大きな神棚があり、メニューの札が下がっています。みんな正座か胡坐ですね。私は着物なので正座・・・。足の痺れを覚悟して座ります。ほとんどの人が食べているどぜう鍋とビールを注文。

すぐにこんな奴が出てきます。どぜうはねずみ色でぶよぶよしていてちょっと不気味。・・・美味しそう!って感じじゃありません。このどぜう達はお酒で酔っ払わされた上に味噌で煮込まれ、またその上にタレに漬け込こまれてたんだとか・・・。どぜうの恨みがこのねずみ色に出ているのかも。
・・・上海でもどじょうは食べるのですが、田鰻と呼ばれ、開いて醤油で甘辛く炒めて食べます。つやっと黒光りしているお料理で、見た目も美味しそうなんだけど。・・・今ちょっとネットで調べてみると、田鰻は鰻とどじょうの間の川魚とか。知らんかった!今までずっと、中国のどじょうです、と言って日本人出張者にお薦めしていました。・・・。
・・・。
オネェサンが、“脇に置いてあるネギをどぜう鍋の上に盛ってください。それがふつふつと煮えて来たら食べごろなので、お好みで七味や山椒をかけてお召し上がりください”、多分こんな事をささやくような声で説明します。・・・聞こえへん。なんで東京の若いお嬢さんは声がちぃさいんやろ・・・。横で酒盛りをしているおじさん達をまねながら、ネギを盛っていきます。

ねずみ色のどぜうが隠れていい塩梅です。横から見るとこんな感じ。

炭を熾した上にすごく浅い土鍋が乗っています。そこにどぜうを並べて割り下を張っているのですね。ふつふつと煮えてきたので、とぜう一匹を掴んで七味をかけます。

白目がコワイと思いつつ、パクリ、むしゃむしゃ。・・・意外にあっさりとしていて、美味!山椒もいいね!これは日本酒が進みます。冷のコップ酒が欲しいなぁと思いつつ、正座していることもあるし、長居はできない、とガマン。
合間にビールをぐっと煽りながら、あっと言う間に食べてしまいました。他にも、どぜう汁とか、柳川とか、くじらとかもあるんだけど、足が限界になる前に失礼しました。
実はこの日も村上春樹の新刊本を持参していたのだけれど、どぜう鍋に村上春樹は、全く合わない。本当に。っでどぜう片手に村上春樹・・・は止めて、隣のコーヒー屋さんで足を伸ばしながら少し読書。本と料理も食い合わせみたいなものはあるかも。
ところで、どぜう鍋を食べて以来、2・3日経った今でも、喉の上の方に苦い・・・と言うか、引っかかりみたいなものを感じます。これはどぜうの滋養効果?或いはねずみ色のどぜう達の恨み?
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自己紹介:
上海から両国に越してきました。着物姿でお江戸をぶらぶら。

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